1日の勉強時間545分…東大学生生活実態調査

毎日新聞より

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081214k0000m040044000c.html


東大生の1日の勉強時間は授業も含め545分で、10年前より89分も増えていることが、07年の東京大の学生生活実態調査でわかった。「最近の学生はまじめ」「意欲が高い」と大学側は胸を張る。

最近の大学生が講義によく出るようになっているというのは、大学教育ではしばしば言われる話。でも、545分も? と思ったので、学生生活実態調査のページを調べてみた。

2007年度分の調査票はまだ公開されていないので、2005年度調査の調査票を見てみる。

http://www.u-tokyo.ac.jp/gen03/kouhou/1348/24.html

66問目の「生活時間について」という項目を見ると、「大学での学習」、「自宅・図書館での学習」、「大学以外での教育機関での学習」の3つの項目の和を称して、「1日の勉強時間」と言っているように思われる。

しかし、前2つのサンプルが1280、1123なのに対して、「大学以外での教育機関での学習」は130人しか回答していない。これは、公務員試験や司法試験の予備校に通っている人が、法学部を中心とした一部の人に限られているのを考えれば当然なのだが、毎日新聞の記事はこれを考慮せず単純に合計してしまっているのではないだろうか。つまり、本来は加重平均をとらなければいけないはずなのに、やっていないということ。

また、この手の調査は平均は出すけれど、分散や中央値を出さないため、一概に「東大生がまじめに」なっているとは言えない。545分という平均の中で、「自宅・図書館での学習」が0分である人はどれだけいるのかということを考えないと。


まあ、集計表が公開されないことには何とも言えないわけであるが。