『ハーヴェイ・ミルク』

http://www.uplink.co.jp/x/log/002996.php

UPLINK Xにて。1984年の映画のアンコール上映をやっていた。

同性愛者であることをカミングアウトし、米国で初めて公職についた人物、ハーヴェイ・ミルクを主人公としたドキュメンタリー。

現代よりも遥かに同性愛者への差別が激しかった70年代の米国において、彼が地元民から徐々に支持を得つつ市会議員に当選し、その後1年も経たないうちに、同僚に殺害されてしまうまでの過程を描いている。


米国でにおける草の根的な市民運動の力の強さを感じさせる映画だった。日本ではとてもこうはゆかないだろうなあ。


もう一つ考えさせられたのが、事件の顛末についてである。同僚議員のダン・ホワイトによって、ハーヴェイ・ミルクは市長とともに殺害される。

しかし、ダン・ホワイトは結果的にわずか7年間の禁固刑しか宣告されない。映画の中で、「もしダン・ホワイトが黒人か同性愛者であったならば、そのような軽い刑にはならなかっただろう」とか「もしダン・ホワイトが市長一人だけを殺害していたならば、終身刑になっていただろう」というような台詞が出てくる。

それだけ、当時の米国においては同性愛についての偏見が強く、同性愛者を殺害することが社会的善であるとさえ考えられていたというわけだ。

このあたり、差別の問題に加えて、陪審員制度の悪い面なのかもしれないと思った。