『子どもの情景』

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岩波ホールにて。監督のハナ・マフマルバフは1988年生まれらしい。若いなあ。

アフガニスタンバーミヤンが舞台。6歳の少女が、隣の家の男の子が学校で習った面白い話を読み上げるのを聞いて、自分も学校に行きたいと思うようになる。学校へ行くには鉛筆とノートが必要であると知り、家にある卵を市場で売ってお金を得ようとする。そこから始まる少女の小さな冒険の話である。

『子どもの情景』というタイトルにあるように、主人公を中心とした子どもたちの生き生きとした世界が描かれている。特に女学校で授業中に子どもたちが口紅を塗りあって先生に怒られるシーンは微笑ましいものがあった。
一方で明るい話ばかりだけではなく、主人公が学校に行く途中、「タリバンごっこ」をやっている男の子たちに道を阻まれて、やっと買えたノートを破かれてしまうところには衝撃を受けた。公式サイトの解説よれば、実際にアフガニスタンの子どもたちは、こういう遊びをやっているとのこと。何とも言えないなあ。

自分の好みを言えば、もうすこしジャーナリスティックな要素が入っていて欲しかった。冒頭と最後に挿入されるバーミヤンの仏像の爆破シーンが、いまいちうまくかみ合わなかった。


しかしあれだな、日本のように教育が「義務」として人々に押しかかってくる社会ではなく、教育が未だ獲得できない「権利」である社会が存在するということだな。普段勉強しているとどうしても日本国内のことしか考えないようになってしまうのだけれども。