湯浅誠『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』
- 作者: 湯浅誠
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/04/22
- メディア: 新書
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しばらく積読状態だったものを読了。
この著者はめちゃくちゃ文章がうまい。小規模なNPOの代表がこれほど影響を持てている背景には、様々な団体との連携や貧困問題の深刻さもさることながら、この論理力もあるのではないかと思う。
「すべり台社会」という表現も卓抜。本来、雇用・社会保険・公的扶助の三層のセーフティネットや、著者の言う「溜め」(センの「潜在能力」に相当する概念)があれば踏ん張れるはずなのに、どんどん落下してゆくイメージがうまく浮かんでくる。敢えて言えば、もう少し加速度的に落ちてゆく感じがあるとよいと思うが。