小池和男『仕事の経済学』

仕事の経済学

仕事の経済学

よく引用される本だが、労働経済学の標準的なテキストという感じではない。

OJTやOffJTを通じた労働者の知的熟練が職場の生産性を高め、それがキャリア形成や賃金の上昇につながる」という著者の明確な姿勢が本全体を貫いているし、日本の企業に特有だと思われている長期雇用や年功賃金が必ずしもそうだとは言えないという、一般通念や他の研究とは違った知見がどんどん出されている。