J.カラベル・A.H.ハルゼー『教育と社会変動―教育社会学のパラダイム展開』(上)
- 作者: J.カラベル,A.H.ハルゼー,潮木守一
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 1980/01
- メディア: 単行本
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今さら通読した。もちろん収録されている論文のいくつかは、個別に読んだことはあるのだが。
■理論や学派の名前に「新しい」とかつけると、後々空しくなるよなあ、と「新しい教育社会学」に対して思った。
■葛藤理論はパーソナリティ要因を重視するので、実証が難しい。
■レイ・C・リストの「学校教育におけるレイベリング理論」は、2年前に学部の概論で読んだ。なつかしい。しかし、レイベリング理論の話(教師のレッテルが生徒の自己認識に与える効果)を聞くと、つくづく教師になるのが恐ろしいと思わされる。
■バーンステインの「目に見える教育方法」と「目に見えない教育方法」の話は恥ずかしながら全然知らなかった。限定コードと精密コードにそれぞれ対応しているのかと思いきや、強い分類・枠づけと弱い分類・枠づけに対応するものであり、「目に見えない教育方法」とは空間的・時間的な規定性が弱く、また評価の基準も多様な教育方法であるという。で、バーンステインは「目に見えない教育方法」の方が労働者階級に有利となるかもしれないということを述べているが、この辺りは怪しい。