高原基彰『現代日本の転機―「自由」と「安定」のジレンマ』

こういう巨視的・俯瞰的な本が出されることは、一長一短なところがあると思う。

どんどん専門分化する社会の中で、幅広い視点から議論を整理しなおすということは確かに必要だが、一方で理論と実証の接合がない議論が展開されることで、ますます社会学が経験科学としての地位を確立するのが困難になるのではないかという気もする。