林周二『研究者という職業』

研究者という職業

研究者という職業

松原望先生が紹介していたのを見て、図書館で読んでみた。

世代論的な枠組みが随所に出てくるのは少し嫌な感じがしたが、現状の日本の大学院に対する批判や、保守的な研究態度に対する批判は的を射ていると思った。

読んでいて一番興味をひかれたのは、「大学教師」と「研究者」を峻別して議論しているところ。専門職としての厳しい自覚を促しているところは、日本の学術研究の水準をもっと高くしてゆきたいという著者の意思が伺われる。

「自分のような凡人のため研究指南」的なことを言っているけれども、本書の要求水準は高い。戒められる部分が多かった。