村上春樹『1Q84 BOOK3』

1Q84 BOOK 3

1Q84 BOOK 3

本作への評価は日経新聞上での書評を2つほどしか見ていないが、それらで指摘されているとおり、これまでの作品にはなかったほど読みやすいという印象を受けた(そのぶん、ページ数は多いのだが)。


尻切れとまでは必ずしも言えないけれど(これまでの村上春樹作品だとこのまま終わりでもおかしくはない)、牛河さんからつくられた空気さなぎは何になるのか、リトル・ピープルとは結局何なのか、青豆の受胎はどうなるのかなど、説明されないままの事柄も多い。これはBOOK4あるかな。

しかし仮にBOOK4があるとして、1冊で3ヶ月の物語できているから、このままだと青豆が出産するまで至らない? まあ、普通の子どもを妊娠しているわけではないので、どうにか話が進むのかもしれないけれど。


BOOK1、BOOK2のときはヤナーチェックの「シンフォニエッタ」がずいぶん売れたそうだが、本作の影響でプルーストの『失われた時を求めて』が売れることはないだろう。たぶん。