大沢真理『現代日本の生活保障システム―座標とゆくえ』

社会保障はやはり複雑で奥が深い。


しかし、第3章「失われた10年としての1990年代」は自分の修論にとって特に刺激的であった。引用されている研究も今更ながら、読むべきものが多いと思った。

社会的企業など非営利セクターの役割が最後に少しだったので、著者による生活保障システムの類型論(「男性稼ぎ主」型、「市場志向」型、「両立支援」型)がいかに非営利セクターをうまく取り込んでいるのかが、もう少し書かれていてもよいかも。