『ミリオンダラー・ベイビー』

女性ボクサーの、クリント・イーストウッド演じるトレーナーに導かれてのサクセス・ストーリーだと思ったら…後半は安楽死という重いテーマを扱っていた。

しかも主人公のトレーナーがアイルランド系で教会にも通うカトリックであるとの伏線を張っておきながらでのこの展開であった。

クリント・イーストウッドは、『グラン・トリノ』に見られるように、アメリカの保守を体現しているところがあると思っていたので、映画の中とはいえ安楽死という選択を採ったのは意外であった(話がずれるが、家族と疎遠な老人という設定も『グラン・トリノ』と同じだ)。

実際のアメリカの法制度やボクシングのルールを反映していないところもあるそうだし、やや感情的な効果を狙いすぎた演出だという印象はあった。ただ、その点を加味しても普通に楽しめる内容だった。