WHO「自殺予防 メディア関係者のための手引き」

http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/link/kanren.html


WHOがこのような手引きを出しているとは全く知りませんでした。
報道関係者は、もしかしたら研修の場ではこのようなものの存在を教えられるのかもしれませんが、実際に有名人の自殺が起きた時には、ほぼ意識されていないのではないかと思います。


ただ、難しいと思うのは、これだけSNSが影響を持っている時代においては、報道関係者だけがこのような手引きを遵守したところであまり意味がないのかもしれないということです。

そもそも、何かの事件をセンセーショナルに扱いたいというのは、人間の心理に深く根ざしたものなのかもしれません。『カラマーゾフの兄弟』に出てくる、「人間は正しい人の堕落と恥辱を好む」という一節が思い出されます。そうした人間の心理を受け入れた上で、ことに模倣が深刻な問題を起こす自殺という現象においては、対抗的な言説を社会全体で出してゆくということが必要なのかもしれません。