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夏井睦『炭水化物が人類を滅ぼす―糖質制限からみた生命の科学』

ひそかににブームらしい糖質制限についての本を買ってみました。ひそかに、というのは糖質を制限することを目的とすると、あまりに多くの食品が関わってくるので、スポンサーとの関係で大手メディアでは扱いにくいためということのようです。

著者は東北大学を卒業した医師で、「炭水化物は必須栄養素ではなく、嗜好品である」というこれまでの常識に真っ向から反する主張をしています。自らの身体で行った実験や、自らのウェブサイトに寄せられた体験談、他の医師の意見などをもとに、その主張に対して根拠付けを行ってゆきます。また、厚生労働省が発表している一日に必要な栄養素がいい加減に算出されていることや、カロリーをベースにした必要栄養素の計算の根拠のなさや、日本糖尿病学会がなぜ糖質制限に反対しているのかなどの議論を展開してゆきます。前半では糖質制限の様々な効果や批判に対する反駁が述べられ、中盤以降では糖質制限から見えてくる、人類の進化についての大胆な仮説が提示されます。著者は、仮説というものは大半が間違っているもので、発表することにはリスクが伴う。しかし、重要な知見だと自らが確信している時には、科学者は仮説を提示するべきであるという信念を持っているとのことです。

この手の本には影響されやすい私なので、ここ数日、炭水化物を減らしはじめてみました。なんとなく、睡眠の質が改善されている気がします。本の中で、炭水化物は実は脂質よりも消化に悪いという主張がなされていますが、それが現れているのかもしれません。