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「勉強しろよ してねーのわかんだよ」

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 『3月のライオン』の第2巻より。離婚直前で、最後のクリスマスを家族と過ごすことになっている安井六段との対局が終わり、相手からふてくされた態度をとられた後のシーンです。

 現代将棋は事前の研究が必須の世界になっていると言われており、こうした状況は特に羽生世代が変革をもたらしたものだとされています。

 

 将棋の定跡は勉強しないという成田の考え方は、少数派とはいえ当時の奨励会や将棋会にまったくなかったわけではない。定跡よりも何よりも、棋士個人の持つ個性や発想を大切にしてそれを伸ばしていこうというものである。そして、棋士として何よりの武器が終盤力だという考え方である。

 しかし、その終盤重視の理論は昭和57年に入会した羽生善治を中心とした天才少年軍団によって駆逐されていくことになる。序盤と定跡の研究こそが最重要課題であり、その知識や研究の深さが勝敗に直結していくというのが、新世代の俊英たちの考え方であった。終盤というのはあらかじめ答えが提示されている領域であり、極端にいえば高度な技術を持つ者ならば、誰が指しても同じことになる、というのが羽生の理論であった。

――大崎善生『将棋の子』

 

 月に数回の対局のために、日々勉強をして知識を蓄えなければいけないというのは、年に数度の論文執筆や学会発表のためにふだんから先行研究を読まなければいけない研究者の世界と似ているところがあると思います。17歳の桐山くんに言われると身に染みますね。