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バーナード・マンデヴィル『蜂の寓話―私悪すなわち公益』

メモ

 

 それゆえ不平はやめよ。馬鹿者だけが

偉大な蜂の巣を正直な巣にしようとする。

世の中の便益を享受し

戦争で名をあげながら、

ひどい悪徳もなく安楽に暮らそうなどは

頭脳にのみ巣くうむなしいユートピアだ。

欺瞞や奢侈や自負はなければならず

そうしてこそ恩恵がうけられるのだ。

たしかに空腹は恐ろしい災いではあるが

そのほかにどう消化し盛んになれようか。

ぶどう酒ができるのは干からびて

みすぼらしく曲がった蔓からではないか。

若芽のころかえりみないでいると

やがてほかの草木を枯らせて木にはったが、

束ねられ刈りこまれるとすぐ

みごとな果実をみのらせたではないか。

正義で裁断され縛られると

悪徳にも同じく利益がある。

いや国民が偉大になりたいばあい

ものを食べるには空腹が必要なように

悪徳は国家にとり不可欠のものだ。

美徳だけで国民の生活を壮大にできない。

黄金時代をよみがえらせたい者は

正直と同じようにドングリにたいしても自由にふるまわなければならない。 

 

(泉谷治訳,法政大学出版局,pp.34-5)

 

 授業で紹介したのですが、自分でちゃんと読んでいないというダメな状態です。ちょっと反省して勉強しました。