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Nee (1998) "Sources of the New Institutionalism"

Nee, Vicotor. 1998. "Sources of the New Institutionalism." Mary C. Brinton and Victor Nee eds. The New Institutionalism in Sociology. Stanford University Press, 1-16.

 最初のあたりだけ、ごく適当にまとめました。というか、その後のDurkheimがどうとかいう辺りが微妙に言っていることがわからないので、途中で止めました。

 Nee教授については、新制度論の理論だけではなく、中国研究の方もそのうちフォローしたいと思っています。

 

  • 社会学における新制度論(new institutionalism)は、社会科学における新たなパラダイムである。古典的社会学が経済学における新制度論に影響したのと同様に、新制度派経済学は社会学における制度と経済的行為の研究に刺激を与えている。
  • 社会学はその成立以来、社会制度および制度変化の比較分析に密接に関わってきた。社会学者は、制度が社会的・経済的行為に影響を持つと主張してきた。しかし、Parsonsに見られるようなかつての制度論とは異なり、新制度論は制度を単に実在と見なすのではなく、制度の説明を試みる。

経済・政治思想における制度論

  • 新古典派経済学は、社会関係および社会制度は、根本的には重要ではないと主張する。すなわち、この理論は完全情報と選好の安定性を仮定するので、行為者の持つ選択集合(choice-set)は社会関係や社会制度によって影響されないと考える。しかし、新古典派理論における基本仮定は批判されてきている。Ronald Coaseが取引費用の重要性をを発見したことにより、制度の説明について新たな理解が開かれた。彼は、正の取引費用が存在しない場合に限り、新古典派経済学の述べる効率性は達成されることを示した。つきつめれば、取引費用は信頼の問題に関係する。情報の非対称性と不確実性は、合意に至る際の信用可能な確約(credible commitment)の存在を困難にする。
  • 経済学と政治学における新制度論では、公的な規範(formal norms)、および国家や企業という第三者による監視が重要だと見なされている。
  • Coaseは、企業は市場を代替する統治構造をもたらすと主張した。これは、価格メカニズムが企業家による権力と権威に代わられることによって達成される。企業が存在するということは、市場には取引費用が存在することを意味すると、Coaseは論証する。Coaseによる企業の見方においては、雇用契約はHobbesにおける市民と国家の関係と本質的に等しい。契約を結ぶことによって、被雇用者は報酬の対価として、一定の制限の範囲で企業家による命令を遵守することに合意しているのである。
  • Coaseによる取引費用の経済学というフレームワークは、Douglass Northによって拡張された。Northは、統治者と有権者の関係における交換という観点から理論を築いた。すなわち、国家は保護および正義と、歳入を交換するというのである。財産権(property rights)の本質は、他者を締め出す権利にあるため、暴力の面で比較優位に立っている国家は、財産権を特定化し、行使する上で重要な役割を担う。Northによれば、フリーライダー問題によって有権者は制度変化を起こす能力に制約がかかるために、制度の変革は統治者によってもたらされる。Northは、経済成長を説明する上での主要課題は、政治アクターに対する次のようなインセンティブをもたらすできごとや条件を明らかにすることであると述べる。すなわち、効率的な財産権を支える公的な制度配置を、政治的アクターが確立することへのインセンティブである。
  • 新制度派経済学は、公的な制約を説明する理論を発展させているものの、これらの公的制度に対する准制度的な社会的基盤は、十分に理論化されていない。これは現在取り組まれている社会関係という領域である。