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Tsai and Kanomata (2011) "Educational Expansion and Inequality of Educational Opportunity: Taiwan and Japan"

Tsai, Shu-Ling and Nobuo Kanomata. 2011. "Educational Expansion and Inequality of Educational Opportunity: Taiwan and Japan." Sociological Theory and Methods 26: 179-95.

 MMI仮説における「飽和」(saturation)とは、実証的にはどの段階かを確かめるというのが興味深いです。日本と台湾という教育制度が似通っている社会において、出身階層が教育達成に与える影響のコーホート間比較を行うことで、進学率の水準と階層効果の逓減の関係について、説得性が増していると思います。一方で、EMI仮説の検証において、四年制大学と短期大学における出身階層の効果を見るというのは、それでよいのかなと若干疑問に感じました。

 Lucas(2001)のもともとの論文では、学校内のアカデミック・トラックをEMIにおける質的な差異と捉えているわけですが、四年制大学と短期大学の間はむしろ、「量的な差異」とも考えられそうなためです。