Evans (1992) "Testing the Validity of the Goldthorpe Class Schema"

Evans, Geoffrey. 1992. "Testing the Validity of the Goldthorpe Class Schema." European Sociological Review 8: 211-32. 

 

 心理学にくらべると、社会学では指標や尺度の妥当性が検証されることは少ないですが、こういう研究は大事だと思います。

 

  • construct validityではなく、criterion-related validityを議論する。
  • 職業とは関係ない変数との関連を調べることは、Goldthorpeの階級分類の有用性(fruitfulness)の指標にはなるが、妥当性の検証とはならない。
  • 妥当性の検証として望ましいのは、Goldthorpeとその同僚らが理論的に重要だと捉えているような、仕事な特徴の差異を特定できるように、階級分類が職業構造を分けられているかどうかを調べることである。
  • Erikson and Goldthorpe(1992):「この図式の目的は、労働市場と生産単位における地位を区別すること、より具体的には、そうした地位に伴っている雇用関係の観点から区別することであると言える」。
  • Erikson and Goldthorpeは、自律性(autonomy)と権威(authority)がサービス関係を持つことと関連していると述べるものの、これらは階級分類の理論的な原理とはなっていない。この点において、自律性と権威が重要となっているWrightの階級分類とは異なる。
  • Goldthorpeの図式においては仕事上の課題や役割ではなく、雇用関係の性質が構成原理となっている。
  • 要約すれば、Goldthorpeの階級分類によって区別されている特徴は、雇用条件、仕事の保障(occupational security)の度合い、昇進の見込みである。