読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Hernán et al. (2004) "A Structural Approach to Selection Bias"

Hernán, Miguel, Sonia Hernández-Díaz, and James M. Robins. 2004. "A Structural Approach to Selection Bias." Epidemiology 15: 615-25.

 

 非巡回有向グラフを用いて、様々な選択バイアスを分類している論文です。Robinsをはじめとして、疫学者の論文をしばしば読んではきているのですが、語彙に馴染みがないので、だいたいいつも苦労します。

 交絡(confounding)と選択バイアス(selection bias)を区別しているのが、この論文の特徴の一つです。前者は処置変数と結果変数に共通する原因によって引き起こされるもので、後者は処置変数と結果変数の共通の結果になっている変数を条件づけることで、引き起こされるものです。この論文では明示的に用いられていませんが、Pearlの語彙に従えば、前者はバックドア・パスを適切にブロックしないことによって起こるバイアスであり、後者は合流点変数(collider variable)を条件付けることで起きるバイアスと言えるでしょう。

 後半では時系列データにおいて、交絡と選択バイアスが問題になるケースと、その解決方法としての、処置変数の逆確率による重み付けの話が展開されています。

 

逆確率による重み付けは、これらすべての状況において、選択バイアスを適切に調整する。というのも、このアプローチは共変量 Lの条件付き効果の測定に基づいているのではなく、それぞれの個体における曝露と共変量 Lの値によって重みづけ直した後の、非条件付き効果の測定に基づいているためである。

[p. 621]

  逆確率による重み付けの欠点の一つは、すべての(何らかの処置を受ける、あるいは打ち切りの履歴についての)条件付き確率は、ゼロであってはならないというものである。

[p. 621]