Baumeister and Tierney (2011) Willpower: Rediscovering the Greatest Human Strength
Baumeister, Roy and John Tierney. 2011. Willpower: Rediscovering the Greatest Human Strength. Penguin Books.
Willpower: Rediscovering Our Greatest Strength
- 作者: Roy F. Baumeister,John Tierney
- 出版社/メーカー: Penguin
- 発売日: 2012/09/06
- メディア: ペーパーバック
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"ego depletion"をキーワードとして、心理学の様々な知見を一般向けにまとめた本になっています。日本では『意志力の科学』というタイトルで翻訳されているようです。
副題には、"greatest human strength"とありますが、内容としてはむしろ意志力を信用しすぎることの危険性が強調されており、意志力を枯渇させないようなテクニックであったり、意志力に頼らなくともうまく物事を処理できるようなルーティンの確立の仕方であったりが紹介されます。
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"ego depletion"→1日あるいは一定期間における意志力は限られている
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グルコースと意志力は強く関連している
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意志力は訓練によって鍛えることができる
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"Zeigarnik effect"→終了していないタスクが頭に残り続けることで、意志力を減退させること
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鏡が置かれた実験室では参加者はより集中して作業に従事する→自己意識(self-awareness)が働く状況では人々はより強い意志力を発揮する傾向にある
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アメリカの子どもは日本や韓国の子どもよりも高い自尊心を示すにもかかわらず、学力は劣る傾向にある
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学業成績→自尊心という因果関係はあっても、自尊心→学業成績という関係は見出せない
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アジア系の子どもの高い学力は、自制心を求める子育ての結果であると考えられる
- 信仰心を持つ人々がそうでない人々よりも長生きする傾向にあるのは、自制心をより強く持ち、健康な習慣と結びついているため
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マシュマロ実験において自制心を働かせることのできた幼児は、マシュマロが目に入らないように自分の気を散らすという手段を用いていた
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日々のタスクと長期の目標の関連が明確であり、かつ小さな報酬が頻繁にあるほど、目標は達成されやすい傾向にある