Bills(2003)社会学者と労働経済学者の持つ異なる世界観

 

Bills, David B. 2003. "Credentials, Signals, and Screens: Examining the Relationship between Schooling and Job Assignment." Review of Educational Research 73: 441-469. 

 

 学校教育がどのように仕事の配置と関連しているかというテーマには、多くの異なったものがみられる。ありうる1つの分類は、社会学的な説明に経済学的な説明を対置させることである。経済学と社会学の共通の基盤を見出そうとする試みが行われてきたにもかかわらず(Barron and Hannan 1994; Swedberg 1997)、社会学者と労働経済学者は異なる世界の見方をしているという事実は残り続けている。経済学者は生産性と賃金を常に考えており、かつこれらを必ずしも異なるものとして捉えない。社会学者は職業、仕事、開放的な労働市場に対する制約に関心を持っている(Granovetter 1998)。経済学者は学校教育による社会的収益率・私的収益率の区別を強調するものの、これは社会学者がほとんど関心を寄せないものである。Rosenbaum and Binder(1997, p.68)は、「経済学者と社会学者は雇用主の要求について対立する見方を提示している」と、率直に観察している。[443]