羅生門


羅生門 [VHS]

羅生門 [VHS]

1950年公開、監督は黒澤明

芥川龍之介の同名小説『羅生門』を原作にしているのかと思いきや、話の筋は『藪の中』という小説を基にしているらしい。

ある武士の殺害事件について、関係者のそれぞれ食い違った証言を描くことで、自分に都合の良いようにしか考えない、人間のエゴイスティックな面を炙り出している。

それぞれの証言に基づいた回想シーンが繰り返されることによって、果たして何が真実がよく分からなくなってくる。特に最後の証言で語られるシーンは、何とも醜悪、恐怖さえ感じさせる展開だった。

素晴らしい映画だが、最後の取ってつけたようなヒューマニスティックな終わり方がいただけない。