志水宏吉『学力を育てる』

学力を育てる (岩波新書 新赤版 (978))

学力を育てる (岩波新書 新赤版 (978))

小中学生の学習時間の低下という問題の前に、どのような学力が必要か、どのように学力を育てるかについて書かれた本。親の学歴や社会階層は高くない子どもが集まっていても、高い学力を培っている「力のある学校」を例に、具体的な教育改革の道筋を示している。

新書という性格上、親しみやすさにこだわったのかもしれないが、筆者の自伝が多すぎるように思う。
近畿地方の材木屋に生まれる→がんばって東大へ入学→教育社会学者に という出世の話は、それだけ見れば面白いのだが、本筋からやや脱線気味。