『ほしのこえ』


ほしのこえ~The voices of a distant star [UMD]

ほしのこえ~The voices of a distant star [UMD]

2002年公開。新海誠が一人で、監督・脚本・演出・作画を行ったというフルデジタルアニメーション。
サブカル研究でしばしば言及されている作品なので観てみた。

時は2040年代で、主人公は中学3年生の女の子。ごく普通の中学生で、仲の良い男の子と一緒に高校進学を目指している。
しかし彼女はある日突然、国連宇宙軍に召集され、ロボットのパイロットとなることが決まる。火星や木星を探査し、未知の生命体「タルシアン」と戦うための選抜メンバーに選ばれたのだ。

最初のうちは、携帯電話のメールで同級生の男の子と連絡を取れるも、木星冥王星シリウスと地球からの距離が離れるにつれて、メールが届くまでも時間がかかるようになってくる。最後には8年前に送信されたメールを23歳になった男の子が見ることになり、時間のずれの中で2人は思いを通わせる…というような話だ。

分類としては、あまりよくは知らないが、エヴァ最終兵器彼女と同様に「セカイ系」にカテゴライズされるんだろうか。つまり個人の運命が、社会をすっとばして直接に世界(ありとあらゆる全体という意味での)にリンクするようなストーリーのあり方だ。

地球と別の惑星での時間のずれというモチーフが、うまい心理描写につながっていると思う。25分という短い時間で、よく表現できたもんだ。

しかし一番驚きなのは、ジャケットに石原慎太郎のコメントが載っていたことだ。あの人、アニメ観るんだねえ。