金子勝『市場』
- 作者: 金子勝
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1999/10/22
- メディア: 単行本
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久々に社会科学の真面目な本(論文は結構読んでいたが)。
「自立した個人」から出発する理論も「個人を拘束している全体」から出発する理論も市場のアポリアを解くことはできないよ。市場原理主義を基礎付ける新古典派経済学は、合理的な計算と自己責任を基調付ける「強い個人」を仮定するから駄目だよ。現代はグローバル化という市場原理主義が社会を蝕んでいるから、「弱い個人」を基にした理論を構築し、国家・企業よりも小さい単位のコミュニティをベースにしたセーフティネットを用意しなければいけないよ。というような話。