ジェフ・ウィッティー『教育改革の社会学―市場、公教育、シティズンシップ』

教育改革の社会学―市場、公教育、シティズンシップ

教育改革の社会学―市場、公教育、シティズンシップ

イギリスの90年以降の教育改革の動向を分析した本。
新自由主義に基づく市場原理が公教育に導入されてゆくことの問題性や、一方で国家による教育への規制が強化されているという事実など、多岐に渡る批判が行われている。

何だか教育改革における事情はイギリスでも変わらないのね、という印象を受けた。
福祉国家モデルとも新自由主義とも違った道を探る「第三の道」を提唱したニュー・レイバーだが、やはり色々と問題はあるわけだ。

日本の教育について、国家が教育に責任をもっている(かつ近年それが変わりつつある)というような意味で何ヶ所か触れられていた。日本の政策担当者は、海外からこのような評価を受けているということはどのくらい知っているんだろうか。