マル激トーク・オン・ディマンド 第382回「見えてきた自殺大国日本の実相」

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昨日JR山手線が池袋駅において、人身事故で4時間ほど停車していた。
死亡したのは都内に住む22歳の私立大の女性だったらしい。

22歳は人生に絶望するにはいささか早すぎる気がするが、自殺にまでいたるような様々な要因があったのだろうなとも思う。


自殺は個人が様々な事情のもとで起こす行為であるが、同時に社会的な性格を持っていると指摘したのは、フランスの社会学デュルケームだ。自殺率がキリスト教の宗派で違うこと、未婚者に比べて既婚者では自殺率が低いこと、国家全体を巻き込むような戦争の最中には自殺率が低くなることなどをデュルケームは『自殺論』の中で明らかにした。


ニート対策」などでも同じことが見られるが、日本ではまだまだ自殺を個人的なものととらえ過ぎている気がする。対策も啓発によるものばかりで、社会全体で何かをしてゆこうというものではない。

10年連続で自殺者が3万人を超え、OECD加盟国では2位の自殺率であるという異常な事態をどうとらえるべきか。やはりこれは、自殺が個人的な理由にのみ由来するのではないことを示している。

番組の中で言われているとおり、自殺やその原因の一つであるうつ病に対する偏見があるのも事実で、これが変わるのには時間がかかるのだろうなと思う。例えば大学では、学生や職員のためのカウンセリングが進んできているが、匿名性の確保や敷居の高さの解消についてがんばっているのは、裏返せば足を運びにくい雰囲気があるということだ。

適切な支援や相談を受ければ何とかなる可能性があるのに、「不面目」なラベルが貼られてしまうのはなぜなんだろうか。