野村克也『野村再生工場―叱り方、教え方、褒め方』

楽天イーグルスの現監督・野村克也はどのように「終わった」と見なされていた選手を再生させてきたか。
長年の選手・監督経験に基づく、指導者のための本。

主張自体は、「目標を明確にさせる」、「人を見て法を説け」、「本人の気づきを誘うのが何より大事」というような、比較的当たり前のことが書かれているのだが、その根拠となる膨大なデータ・経験の部分が読んでいて面白い。

この手の本は、いかに自分の経験を過度に一般化することなく、かつ自らの経験を面白く記述してゆくかが、良書かどうかの分かれ目になると思う。

本書は、楽天についてのエピソードが読みたくて手に取ったのだが、思いがけず啓発されてしまった。良い本だと思う。