橘木俊詔『日本の経済格差――所得と資産から考える』

日本の経済格差―所得と資産から考える (岩波新書)

日本の経済格差―所得と資産から考える (岩波新書)

さすがに未読なのはまずいと思い、読了。

佐藤俊樹の『不平等社会日本』とともに、格差社会論の火付け役となった本。

社会学だと、所得にしか注目しないことが多いので、資産の不平等について詳しく検討されているのがよかった。また、社会学よりも指標の扱いについて、慎重な姿勢が見られた。

それから、社会保障を税方式で運営することや累進消費税の導入など、今よりも10年も前の時点で提言していたのがすごいと思った。もしかしたら他の論者も既に言っていたのかもしれないが。