長谷部恭男『憲法とは何か』

憲法とは何か (岩波新書)

憲法とは何か (岩波新書)

立憲主義と民主主義、それと2006年に出版されたことからか憲法改正の手続きについてが主な内容。

立憲主義とは狭義には、価値が多元化した近代社会において共生が可能であるように、国家の権力を制約する思想あるいは仕組みのこと。またこれは公と私の領域を区分することを前提として、個人の自由と公共的な政治の審議と決定とを両立させようとする考えと密接に結びついているという。

成熟した社会においては、憲法典をわざわざ変えなければ実現できないことはあまりなく、適宜法律を改正してゆけば十分であるという著者の主張はなるほどと思った。