村上春樹『1Q84 BOOK2』

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2

ようやっと読了。

上下巻ではなく、「BOOK1」・「BOOK2」となっていること、またかなりオープンな終わり方をしていることから、「BOOK3」を期待している人もいるらしい。確かに「空気さなぎ」や「リトル・ピープル」とは結局何なのか、消えてしまった人々はどうなってしまったのかなど、疑問はつきないのだが、これ以上物語が続くことがあまり考えられない。

エルサレム賞のときのスピーチでも言っていたが、「システム」がもたらす害悪や不条理さに対してどう向き合ってゆくのか、という問題がまた深められていたと思う。

ねじまき鳥クロニクル』で描かれたような、逃避→積極的なコミットへの変化と似ているようでまた違う。
どちらかというと、個人の自由意思ではどうにもならない、運命的なものや聖性に重点が置かれていたような気がする。

これまでの作品にもまして、脳内で補完しなければならない部分が多くて難しい。