広田照幸『教育』

教育 (思考のフロンティア)

教育 (思考のフロンティア)

現状分析のツールを最も多様に備えているはずの教育社会学は,現在の教育や社会の実態の分析や,ショートスパンの計量的な予測や趨勢分析には長けているものの,はるかな未来をどう描くかについての道具立ても思考枠組みも持っていない.教育学その他の領域も大同小異である.
(pp.9-10)

この見方は全くその通りという気がして、教育の未来に向けてオルタナティヴを提示しているのは、教育社会学の中では希少。ただ、著者の言うオルタナティヴとは、経済成長に依拠しない「配分」の問題として教育を組み立てなおすというものなので、伝統的な教育社会学の問題としても考えられるのではないか。