『パッチギ!』

井筒和幸監督の作品。

エリカ様の「もしも結婚したら、朝鮮人になれる?」という台詞が、端的にこの作品の核心を言い表していた。

自分が東北で生まれ、18歳まで教育を受けてきたことと少なからず関わりがあると思うのだが、在日コリアンの問題って実感が湧かないところがある。関西出身の人と話したときに、何度か感じたこと。


他にも、ベトナム反戦グループ・サウンズ学生運動など、盛り込みすぎじゃないかと思うほど多くのテーマが扱われていた。

この映画の設定は1968年。日本の高等教育がマス段階に入り、大学生はもはやエリートではなくなった時代だ。そうした時代状況における若者の揺れ動くアイデンティティが、暴力や性という側面で見事に(いささかグロテスクに)描かれている。