広井良典『日本の社会保障』

日本の社会保障 (岩波新書)

日本の社会保障 (岩波新書)

社会保障の機能を「所得の再分配」と「リスクの分散」に理念的に分類し、また公私の負担を考慮したうえで、折衷型の日本の社会保障を高齢社会に対応しうるように設計すべし、というのが著者の主張。

基礎年金と厚生年金、あるいは医療保険の仕組みがどうなっているか、ぜんぜん分かっていなかったのだが、少し理解した。また、欧米との比較制度分析もよくまとまっていて勉強になった。

日本の社会保障が、社会保険・年金中心の制度設計になっており、それゆえ福祉の比重は小さく、なおざりになってきたというのは、教育の分野にも敷衍できそう。