苅谷剛彦,2000,「学習時間の研究―努力の不平等とメリトクラシー」『教育社会学研究』66: 213-230.

http://ci.nii.ac.jp/naid/110001877985


もう読むの何度めか分からないが。

御大曰く,大学院生が投稿論文を書くときのお手本となるように教育目的で書いたものだそうで。問題設定,理論的検討と問題の焦点化,仮説の設定,方法,分析,結論と流れがスムーズで分かりやすく,構成を非常に重視しているのが分かる。

今読んでみると分析の粗さがいくつか目につくが(実際,批判もされている),文章のうまさには舌を巻かずにはいられない。言ってしまえば少々の分析の粗さがごまかされてしまうほどに。

教育社会学というマイナーな学問であそこまで名前を売ったのには,この文章力の高さが少なからずあると思った。