八代尚宏『雇用改革の時代―働き方はどう変わるか』

雇用改革の時代―働き方はどう変わるか (中公新書)

雇用改革の時代―働き方はどう変わるか (中公新書)

裁量労働制の拡大、解雇権濫用法理の見直し、職業紹介事業の国家独占の批判など、規制緩和をかなり重視しているにもかかわらず、目指されている方向性は男女間賃金格差の是正、労働時間の短縮、非正規社員の待遇改善など、社民主義的な労働政策と一致する点も多い。要は、ある制度の変更がどのような帰結をもたらすかという視点の違い(例えば、派遣規制は正社員の雇用を増やすのか減らすのか)なのだと考えさせられる。

小泉改革後のこの著者の本も読まないといけない。