盛山和夫編『日本の階層システム4 ジェンダー・市場・家族』

踏まえるべき知識(日本の文脈)としては、
・全般的な女性の被雇用化。
・M字型就業パターンに大きな変化は見られない。また再就職は多くがパート。
・妻の方が優位な階級的地位を有している世帯は非常に少なく、夫の属性によって世帯を代表させる伝統的な階級枠組みはなお有効である。
・大卒女性の専業主婦割合が高い。これは、高学歴女性ほど高学歴・高収入の男性と結婚できるチャンスが高いので、家計補助のために就労の必要がない、あるいは日本の親が大学教育に期待するものは性別によって異なり、女子には子育てに必要な一般教養の獲得を期待している、などの説明がなされている。
・性別役割分業意識はどのコーホートでも低下傾向。
・夫の家事参加が極端に少ない。夫の家事参加の度合いは性別役割分業意識と有意な関連を持たず、職業が最も説明力が高い。

など。


ライフステージや配偶者の属性と複雑に関連しあっているので、まだまだ分からないことは多い。
パネル調査による研究の余地が非常に大きいと思った。