中根千枝『タテ社会の人間関係―単一社会の理論』

タテ社会の人間関係 (講談社現代新書)

タテ社会の人間関係 (講談社現代新書)

タテ社会では、「資格」(人々の様々な属性)ではなく、「場」(学校、企業、家族など)が様々な基準となるとのこと。さらに例えば大学において「教授であるか学生であるか」という帰属意識ではなく、「○○研究室の一員」というような帰属意識が獲得される。
そうした「場」の中での競争意識が喚起されるという話は、「階級のようなマクロなレベルでの不平等ではなく、閉鎖的な集団の中でのわずかな差異が注目される」という『大衆教育社会のゆくえ』の議論と似ていると思った。