Program targets 12% smoking rate

http://www.japantimes.co.jp/text/nn20120609a6.html

The government worked out a fresh anticancer program Friday that calls for reducing the rate of smoking among adults to 12 percent by fiscal 2022, down from 19.5 percent in 2010, officials said.


厚生労働省の「国民健康・栄養調査」の結果概況の図26-1(pdf)によると、2003年から2010年の喫煙率の変化は、

●男性
46.8%→43.3%→39.3%→39.%9→39.4%→36.8%→38.2%→32.2%

●女性
11.3%→12.0%→11.3%→10.0%→11.0%→9.1%→10.9%→8.4%


男女ともに減少傾向にあるが、女性はもともとの比率が高くないので、下げ幅としては小さい。
またOECD諸国の中で見るとたばこの単価がより高い国と比べても、日本の女性の喫煙率はOECD諸国の中では低い方となっている。
(なお、上のリンク中の日本の数値が「国民健康・栄養調査」の数値と一致しないが、理由はきちんと調べていないので不明)


そうなると、OECD諸国の中でも高い方である男性の喫煙率をさらに下げることが、上記の目標を達成する上で必要となるのではないかと考えられる。
もし、女性の喫煙率が2010年の8.4%で変わらないとすれば、男性の喫煙率をあと16%ポイントほど下げないと、全体で12%という数値は達成できない。
「国民健康・栄養調査」は、毎年11月1日時点の状況を尋ねているとのことなので、2010年10月のたばこ増税の影響が十分に表れていない可能性はある。しかし、それにしてもあと10年で男性の喫煙率をあと16%ポイント下げるというのは簡単ではないのではないかと素人意見として思った。


そもそも2022年までに喫煙率を12%するという数値目標がどこから出てきたかというと、上記記事によると、

Four out of every 10 smokers hope to quit the habit if they can, according to surveys. The figure of 12 percent was worked out on the assumption that those who wish to give up smoking will all quit, the officials said.

喫煙を止めたいと現在思っている人が、10年後には全員止めた場合を目標にしているとのことである。(と同時に人々の喫煙に対する選好の分布は変わらないことを仮定していると思われる)


ただ、上記で考慮されていないのは、「国民健康・栄養調査」では、喫煙率は「これまで合計100本以上又は6ヶ月以上たばこを吸っている(吸っていた)者のうち、『この1ヶ月間に毎日又は時々たばこを吸っている』と回答した者の割合」として計算される。
調査時点では一時的に禁煙していても結果的に失敗してしまう人は数値に表れないので、これを考慮すると、喫煙を止めたいと現在思っている人が全員止められるという仮定のハードルはより上がる可能性がある。というのも、2010年のたばこ増税の後に喫煙者の3割が禁煙をはじめ、うち6割が禁煙に失敗したという調査があるからである。



ところで公衆衛生の政策では、上記のような数値目標の設定方法は一般的なのだろうか。例えば出生率について、「理想の子ども数が実際に生まれている子ども数と開きがあるので、すべての夫婦が理想の子ども数を生んだ場合の出生率を政策目標にする」ということはおそらくないと思われるのであるが。