Breen and Salazar(2010)

Breen, Richard and Leire Salazar, 2010, "Has Increased Women's Educational Attainment Led to Greater Earnings Inequality in the United Kingdom? A Multivariate Decomposition Analysis," European Sociological Review, 26(2): 143-157.

○イギリスにおける女性の学歴の上昇が、世帯所得の不平等を拡大させたのかどうかについて。


○女性の学歴の上昇による世帯所得の不平等の増加について3つのメカニズムを想定。(1)女性の就業率の増加、(2)学歴同類婚(educational homogamy)の増加、(3)結婚をするかどうかの傾向が変化することによる世帯の構成の変化。


○データは1979年、1991年、2000年のFamily Expenditure Surveyの。不平等の測定指標はTheil尺度を使用。


○女性の学歴×男性の学歴×女性の就業状態×男性の就業状態のクロス集計表を作成し、t→t+1でそれぞれがcounterfactualに変化した場合のTheil尺度の変化を検討。


○世帯間での所得不平等は、異なる世帯グループでの平均所得の差が拡大したことによるものではなく、世帯構成の比率が変化したものであることが明らかにされた。世帯間での所得不平等拡大の最も大きな原因は、非就業の男性世帯主の増加として説明される。