Freedman(1999)


Freedman, David, 1999, "From Association to Causation: Some Remarsk on the History of Statistics," Statistical Science, 14(3): 243-58.

○John Snowが行ったコレラの疫学研究などを事例として、現代における因果推論に関する統計技術の限界について議論している論文。


○Snowはprimitiveな統計手法を用いていたにもかかわらず、デザインを工夫することによって、非実験データから因果推論を行うことが可能であることを示した。


○現代における統計手法として回帰分析が広く用いられている。これはLegendreとGaussが生み出したもので、社会科学においてはYuleが使い始めた最初の一人である。Yuleのアプローチは、因果関係を示す矢印や統計的有意性を示すスターがないことを除けば、きわめて現代的である。Yuleは自らの研究が厳密な意味では因果関係を示すものではないことを注記していたが、それにもかかわらず回帰分析は社会科学と疫学に広まっていった。


○Snowの注意深い研究に対して、多くの現代の実証研究は鋭く焦点化されたリサーチ・クエスチョンを欠いており、またモデル選択とp値に大きく依存している。