Hashimoto(1981)

Hashimoto, Masanori, 1981, "Firm-Specific Human Capital as a Shared Investment," American Economic Review, 71(3): 475-82.

企業特殊的人的資本への投資コストが労働者と雇用主でシェアされる場合の条件について、2時点のモデルで考えるというもの。労働者と雇用主はどちらもリスク中立的で、資本市場と労働市場は完全であることを仮定している。


解雇と離職が起きない場合と、起きる場合、つまりお互いに投資コストが回収できない可能性がある場合に分けられている。解雇と離職が起きる場合には、企業特殊的人的資本によるリターンに占める労使の取り分が、解雇と離職が起きる確率に影響して期待される純利益を決定するという議論がなされている。


結論として、投資コストがシェアされるかどうかは労働者の生産性の評価に関する取引コストの存在に依存し、これは正にCoaseの理論を適用したものに他ならないとのこと。