原告「無効」出ず不満も 参院選「1票の格差」判決

 

 

 判決要旨によると、「国会の取り組みが裁量権の限界を超えていたとはいえず、憲法違反ではない」と、今回も国会の裁量権を尊重した判断になりました。ただし、都道府県単位の区割りの見直しの必要性が述べられており、あらためて抜本的な改革が行われなければはらないという認識が示されました。

 ところで、15人の最高裁裁判官のうち、「違憲」と判断したのは4人、「違憲状態」は11人でした。15人のうち、4人は弁護士出身でそのうち3人は「違憲」の判断でした。一方で、6人は裁判官出身でその全員が「違憲状態」の判断でした。偶然にしては起きづらい結果なので、積み上げてきたキャリアの違いによって知識や判断基準も異なってくるのでしょう。もしかしたら、どういう判断を下すかによって集団内の自身の評価にも関わってくるのかもしれません(もっとも、最高裁裁判官まで出世した人たちが他者からの評価を気にするのかどうかはわかりませんが)。いずれにせよ、興味深い結果でした。