Morgan and Winship (2007) Chapter 6 "Identification in the Absence of a Complete Model of Causal Exposure"

Morgan, Stephen L. and Christopher Winship. 2007. Counterfactuals and Causal Inference: Methods and Principles for Social Research. New York: Cambridge University Press.

  数年前に1度通読していますが、あらためて読んで勉強することが多いというか、むしろ今になってようやく分かる記述が多いという印象です。改訂版が昨年出ているようなので、近々購入したいと思います。

 6章からは観察されない変数によるセレクションの話題になります。本書では度々出てくるColemanらによる、カトリック学校への就学が成績に与える効果がここでも取り上げられています。Colemanたちは、カトリック学校へ就学する前の成績を条件づけることで観察されない要因による交絡に対処しようとしていたということが、有向非巡回グラフ(DAG)の観点から解説されています。DAGはもちろん、パネルデータによる実証分析もまだそれほど進んでいなかった時代であるにもかかわらず、Colemanの慧眼には驚かされます。