Imbens and Rubin (2015) Chapter 1 "Causality: The Basic Framework"

Imbens, Guido W. and Donald B. Rubin. 2015. Causal Inference for Statistics, Social, and Biomedical Sciecnes: An Introduction. Cambridge University Press. 

 

  • SUTVAが最初の章からしっかり解説されています。また、SUTVAはあるユニットに対する処置が他のユニットの結果に影響しない、すなわち"no interference"についてだけではなく、処置変数における観察されないばらつきがないこと(no hidden variations of treatments)を仮定しているとのことです。例えば、アスピリン錠剤の効果であれば、新しいものと古いものが混ざっており、これらの有効成分の量に違いがある場合です。このような場合にSUTVAは、(1)異なるアスピリン錠剤による結果変数の潜在的な値は変わらない、あるいは(1)ある個人は新しいアスピリン錠剤のみを、(2)別の個人は古いアスピリン錠剤のみを処置される、のどちらかを課しているとのことです。
  • 処置変数の割り当てメカニズムについて、つまりなぜある潜在的な結果変数の値が実現し、他のものは実現しなかったのかを考えることの重要性が強調されている印象です。
  • Lord's paradoxが混乱を招くのは、潜在結果モデルの枠組みでとらえず、あくまで観察された結果変数の値に注目されるていることが問題だとのことです。