鈴木秀明『効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法』

 

効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法

効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法

 

 

 大学の先輩である資格マニア鈴木さんのご近著です。前にお話を伺った時に取得資格数が350個くらいと仰っていた気がしたのですが、現在は500個を突破されているようです(しかもここ数年は取得ペースが上がっているとのこと)。

 そうしたすさまじい取得ペースを支えている勉強法が本書では紹介されています。毎週のように資格試験を受けている著者らしく、7日間を区切りとするスタイルであり、そして徹底的に無駄を排した合理的な戦術とテクニックが採用されています。たとえば、「エビングハウスの忘却曲線」に基づき、試験1週間前は過去問の傾向をつかむことや覚えなくてもよいことを選別することに注力し、試験直前に暗記が問われる内容を詰め込むなどです。

 自分の今の仕事を考えると、資格試験のようにある時期までに特定の知識を身につけて、合格ラインを超えるというようなことは要求されていません。むしろ、必要な知識は曖昧で、中長期的なスパンで考えるべきものになっています。そういう意味で言えば、本書で紹介されているテクニックは必ずしも役に立つものばかりではありませんでした。ただし、たとえばある統計数値に関して、日本は国際平均よりどれくらい異なっているかというようなことは覚えなければいけないこともあるので、そうした個別の場面で役立ちそうな内容はありました。

 どちらかといえば具体的なテクニックではなく、鈴木さんがこれほどまでに資格を取得し続けるモチベーションがどこから来ているのかということが、もっと読んでみたいと思いました(あとがきでは少し書かれていましたが)。自分の場合は20歳の頃にくらべると、仕事に直接役に立たないことを新しく勉強しはじめようというモチベーションは明らかに低下しているので、部分的に仕事とはいえ、毎週のように新しい資格試験にチャレンジする鈴木さんの姿は素直に尊敬しています。