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Pfeffer(2008)"Persistent Inequality in Educational Attainment and its Institutional Context"

論文

Pfeffer, Fabian. "Persistent Inequality in Educational Attainment and its Institutional Context." European Sociological Review 24:543-65.

  Shavit and Blossfeld(1993)やBreen and Jonnson(2005)といった研究を下敷きに、ヨーロッパにおける世代間の教育移動について新たな分析を試みている論文です。

 著者は、「個人とその親の教育達成には関連があるか」ではなく、「個人とその親の教育達成にはどの程度の関連があるか」が適切な問であると主張しています。そして各国の教育制度が置かれている文脈によって、移動率がどの程度に異なるのかという分析課題を設定します。

 各国の教育制度の文脈として参照されるのは、Allmendinger(1989)による、階層化の程度、すなわちどの教育段階において生徒の選別が行われるのかの違いです。例えば、スカンジナヴィア諸国は比較的弱い階層化で知られており、ドイツは早い年齢から生徒の選別を行うので、階層化の程度が強いというようになっています。

 結果としては、教育達成の世代間移動率に対して、階層化の程度は(サンプルサイズが多くなく検出力は小さいにもかかわらず)、有意に負の推定値を示すというものになっています。

 Lucas(2001)のEMI仮説以降、世代間の教育移動については、一連の階層化されたカリキュラムの中で捉える必要があるという主張が有力なので、教育システムの階層性という制度的文脈は、より重要になってきているのではないかという感想です。