2016-01-01から1年間の記事一覧

吉見俊哉『「文系学部廃止」の衝撃』

「文系学部廃止」の衝撃 (集英社新書) 作者: 吉見俊哉 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2016/02/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る 細かい事実の解釈は怪しいと感じるところもあるのですが(別の本を読んだ時にも思ったのですが、グロー…

8 Mile

先日に面接を1件受けてきたのですが、その準備をしている最中に、本映画の主題化である、Lose Yourselfをよく聴いていました。ちなみにその面接では、某S先生が面接官としていらっしゃり、事前に食べたお昼ご飯を全部吐くかと思いました(mom's spaghettiで…

日本経済新聞社編『世界を変えた経済学の名著』

世界を変えた経済学の名著 (日経ビジネス人文庫) 作者: 日本経済新聞社 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社 発売日: 2013/05/02 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 半分は教養のために、半分は授業の参考になるかと思って読みました。第1部「文明…

宇野重規『保守主義とは何か――反フランス革命から現代日本まで』

保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書) 作者: 宇野重規 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2016/06/21 メディア: 新書 この商品を含むブログ (9件) を見る 冒頭で、「保守」あるいは「保守主義」が一種のバズワードになってお…

村松秀『論文捏造』

論文捏造 (中公新書ラクレ) 作者: 村松秀 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2006/09 メディア: 新書 購入: 4人 クリック: 60回 この商品を含むブログ (80件) を見る 2000年代前半に起きた、当時ベル研究所の研究員であったヘンドリック・シェーンが起…

Bornmann (2008) "Scientific Peer Review: An Analysis of the Peer Review Process from the Perspective of Sociology of Science Theories"

Bornmann, Lutz. 2008. "Scientific Peer Review: An Analysis of the Peer Review Process from the Perspective of Sociology of Science Theories." Journal of the Sociology of Self-Knowledge 6: 23-38. 論文のピアレビューについての実証研究は色々と…

ジョッシュ・ウェイツキン『習得への情熱―チェスから武術へ―』

習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法 作者: ジョッシュ・ウェイツキン,吉田俊太郎 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2015/08/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る インスピレーションを得るための公式…

揚げない鶏の唐揚げ

こちら。 「揚げない」が売りにされており、たしかに使用する油の総量は少なくて済むのですが、鶏肉が吸収する油の量=自分が摂取する油の量は、通常の唐揚げとあまり変わらないような気もしますね。それでも後片付けが楽なのは魅力的ですが。

Hong (2014) "Trends and Determinants of Social Expenditure in Korea, Japan, and Taiwan"

Hong, Ijin. 2014. "Trends and Determinants of Social Expenditure in Korea, Japan, and Taiwan." Social Policy and Administration 48: 647-65. 来月の研究会用に読んでいます。分析は正直うーん…というところもありますが、研究の蓄積がない分野でとり…

三浦大輔『逆境での闘い方――折れない心をつくるために』

逆境での闘い方 ~折れない心をつくるために~ 作者: 三浦大輔 出版社/メーカー: 大和書房 発売日: 2012/11/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 今季で現役引退を発表している横浜の三浦大輔投手が、自らの経験や練習の心…

Busemeyer et al. (2011) "Individual Policy Preferences for Vocational versus Academic Education: Microlevel Evidence for the Case of Switzerland"

Busemeyer, Mauris R., Maria A. Cattaneo, and Stefan C. Wolter. 2011. "Individual Policy Preferences for Vocational versus Academic Education: Microlevel Evidence for the Case of Switzerland." Journal of European Social Policy 21: 253-73. …

Welsh (1999) "Gender and Sexual Harassment"

Welsh, Sandy. 1999. "Gender and Sexual Harassment." Annual Review of Sociology 25: 169-90. 最近は、授業や大学組織に関する勉強が結構楽しいですね。今月末には、全学のハラスメント研修というものが初めて行われるらしく、申し込んでみました。「体験…

「僕はやっぱり、研究者に向いてないのかも……しれない」

『医龍(9)』pp.154-6 『医龍(16)』pp.140-2 『医龍(22)』pp.97-100 常に自信に満ち溢れていて、能力や実績を積み重ねてゆく人もいます。しかし、伊集院くんのように、迷いながら成長してゆくモデルもあるということは安心できますし、周りもそのことを…

Rosenbaum (2001) Beyond College for All: Career Paths for the Forgotten Half

Rosenbaum, James E. 2001. Beyond College for All: Career Paths for the Forgotten Half. New York: Russell Sage Foundation. James Rosenbaumの90年代の論文の知見をまとめて、理論的・政策的な示唆が論じられている本です。先日に引き受けた論文の査読…

Kugel (1993) How Professors Develop as Teachers

Kugel, Peter. 1993. "How Professors Develop as Teachers." Studies in Higher Education 18: 315-28. 学生が学ぶ能力を獲得してゆくように、大学教員も教授能力を段階的に発展させてゆくというモデルを提示している論文です。 第1段階(自己):教員は教…

小泉純一郎・吉原毅『黙って寝てはいられない』

黙って寝てはいられない 作者: 小泉純一郎談,吉原毅編 出版社/メーカー: 扶桑社 発売日: 2016/07/10 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 小泉元首相が、原発ゼロ推進やトモダチ作戦被害者支援基金のために、各地で行った講演を編…

Boice (1990) Procrastination, Busyness, and Bingeing

Boice, Robert. 1990. "Procrastination, Busyness, and Bingeing." Behaviour Research and Therapy 27: 605-11. 研究者が論文を書くこと(というか、むしろ書かないこと)について、多くの業績を出されている先生ですね。1984年には、「なぜ研究者は書かな…

Kundzewicz and Koutsoyiannis (2005) "Editorial—The Peer-review System: Prospects and Challenges"

Kundzewicz, Zbigniew W. and Demetris Koutsoyiannis. 2005. "Editorial—The Peer-review System: Prospects and Challenges." Hydrological Sciences Journal 50: 577-90. ピアレビューの仕組みとして、(1)blind、(2)half-blind、(3)openという、3つ…

指数分布の性質

たまには、TeXの練習をしましょう。 確率変数が次の確率密度関数を持つ指数分布に従うものとする。 。 (i) を示せ。 (ii) 任意のに対して,を示せ。また,の中央値を求めよ。 [2013年RSS/JSS試験(Higher Certificate)] (i) である。 であるから,いまと…

Riisgård (2000) "The Peer-review System: Time for Re-assessment?"

Riisgård, Hans Ulrik. 2000. "The Peer-review System: Time for Re-assessment?" Marine Ecology Progress Series 192: 305-13. ぼちぼち査読を引き受けさせていただく機会も生じてきたのですが、まだ経験が浅いので、いろいろとわからないことも多いです…

「教科書通りの社会事象など、一つとしてない。」

『医龍(1)』p.107 「だから社会科学者は、実際にデータを分析することでしか成長しない。」

England and Kilbourne (1990) "Feminist Critiques of the Separative Model of Self: Implications for Rational Choice Theory"

England, Paula and Barbara S. Kilbourne. 1990. "Feminist Critiques of the Separative Model of Self: Implications for Rational Choice Theory." Rationality and Society 2: 156-71. 第一著者のPaula Englandは、昨年のアメリカ社会学会長ですね。労…

McRae (2003) "Constraints and Choices in Mothers' Employment Careers: A Consideration of Hakim's Preference Theory"

McRae, Susan. 2003. "Constraints and Choices in Mothers' Employment Careers: A Consideration of Hakim's Preference Theory." British Journal of Sociology 54: 317-38. Catherine Hakimの選好理論に対する検証と批判を行っている論文です。女性の就…

『帰ってきたヒトラー』

http://gaga.ne.jp/hitlerisback/ 原作の小説が面白いと同僚に教えてもらっていて、気になっていた作品です。なかなか時間が取れず、そろそろ上映が終わってしまうかなと思っていたのですが、池袋シネマ・ロサで新たに公開が始まっていました。 実際のニュー…

『父親たちの星条旗』

2006年公開の、クリント・イーストウッド監督による映画です。太平洋戦争において多くの死傷者を出した、硫黄島の戦いをモデルにした映画であり、アメリカ側の視点から描かれたものです。日本側の視点から描かれた姉妹作である、『硫黄島からの手紙』も、4年…

『プレステージ』

2006年に公開されたクリストファー・ノーラン監督の映画です。前に一度観ていて、今回が2回目でした。ストーリー全体に伏線が散りばめられているので、2回以上観てはじめて真価を味わえる映画かもしれません。 「観客は何も見ていない。何も知りたくない。騙…

『海よりもまだ深く』

http://gaga.ne.jp/umiyorimo/ 池袋シネマ・ロサで観てきました。 「大人になれない大人」というテーマは、これまでの是枝映画においても何度も描かれてきたテーマの一つです。しかし、これまではあくまで「機能不全の家族」の一つの要素として扱われてきた…

コールマンによる経済学の問題点(Swedberg 1998=2004)

Swedberg, Richard. 1998. Max Weber and the Idea of Economic Sociology. Princeton, NJ: Princeton University Press.(=2004,泉田渉・柳沢幸治訳『マックス・ウェーバー――経済と社会』文化書房博文社.) ウェーバー流の取り組み方と現在の社会学が概…

Stataのusespss(adoファイル)についてもう少し

以前に、Stataのusespssというadoファイル(Win64bit版)について、若干書きました。変換後に、しばしば日本語の変数ラベルが文字化けすることがあったのですが、SPSS側の保存形式が関係しているかもしれません。古いヴァージョンのSPSS形式(今回はSPSS7.0…

コールマンによるデュルケームの捉え方についてのメモ

先輩から質問をいただいた関係で、ちょっとだけ調べたことをメモ書きしておきます。コールマンが『社会理論の基礎』において、デュルケームに言及している箇所はいくつかあるのですが(ちなみに邦訳だと索引が不十分)、特に「第10章 効果的な規範に対する需…