- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2003/03/28
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1999年の是枝裕和監督の作品。
亡くなった人々が死後の世界に旅立つまで間の1週間、ある施設に集められる。そこでは、「貴方の一番大切な思い出を1つだけ選んでください」と求められる。
死者たちが思い出を選んだ後、施設のスタッフの手によってその思い出が映像化される。そして、死者たちはその映像を観て、当時の記憶が鮮明によみがえった瞬間、死後の世界に旅立ってゆく、というストーリー。
思い出を一つに絞らなければ死後の世界に旅立てないということにある種の残酷さを感じた(この施設のスタッフたちは、思い出を一つ選ぶことができずに、死後の世界に行けずにとどまり続けているという設定)。そして、登場する死者たちの多くが特に疑問を感じずに、思い出を選ぶことができていることや、スタッフが作り出した映像に満足していることにも、少し違和感があった。
それでも死者たちの語りがとても面白く、ドキュメンタリー出身の是枝裕和の腕がよく表れていると思った。
自分だったら果たしてどのような思い出を選ぶのだろうか、など普段あまり考えないことを考えた。
ターミナル・ケアやQOLということが言われるようになっているけれども、平均寿命が延びていることや高齢化と相まって、どのように生き、死を迎えるかということは今後ますます問われるようになってくるのではないかと思う。