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DiMaggio and Anheir(1990)

DiMaggio, Paul J. and Helmut K. Anheir, 1990, "The Sociology of Nonprofit Organizations and Sectors," Annual Review of Sociology, 16: 137-59.

2つの問題が根本的として挙げられている。


(1)起源(origin)の問題。なぜ、非営利組織は存在するのか。営利組織に比べてインセンティヴが欠如しているように見え、また政府に比べて歳入の確保で不利に見えるにもかからず、なぜこれほど多くの非営利組織は存在するのか。
(2)組織の振る舞い(behavior)の問題。どの程度に、またなぜ、非営利組織のパフォーマンス、構造、サービス、戦略、人的資源政策は、営利組織と政府とは異なっているのか。

また、分析のレベルを(a)組織、(b)産業、(c)国民国家の3つに分類し、上記の2つの問題に当てはめることにより、6つのリサーチ・クエスチョンが出てくる。


(Origins 1)なぜ、ある組織は非営利であり、また別の組織は営利、あるいは公的なものであるのか。
(Origins 2)非営利組織、営利組織、政府の産業間での分業を説明するものは何か。
(Origins 3)非営利組織の国家間における定義、広がり、役割の違いをどのように説明できるか。
(Behaviors 1)産業内において、非営利組織、営利組織、政府の振る舞いには、あるとすればどのような違いが存在するか。
(Behaviors 2)あるとすれば、産業間でのどのような構造とパフォーマンスの違いが、非営利組織、営利組織、公的組織の分業を説明するか。
(Behaviors 3)あるとすれば、非営利組織の広がりと分布は国家社会に対してどのような含意を持つか。


しかし、NPOを市場と政府から独立したもの捉えるアプローチはよくないということを前に読んだような。


また、著者によれば、非営利組織の社会学理論を構築するのが困難なのは、それらが内部に多様性を孕むからではなく、非営利組織というラベルが文化的に負荷がかかったものであり、またイデオロギー的な反応を引き起こしやすいため。


個人的に興味深かったのは、非営利組織はエリートないし上流階級が連帯をつくりだすために生み出したもので、その利害を反映しているという理論があるということ。
Collinsは、富裕層は税優遇を受けて集められた寄付を、名誉のある慈善活動へと交換しており、慈善行為とは逆進的な再配分の一つだと指摘しているとのこと。